自筆証書遺言
遺言書に法的な効力が発生するのは、遺言書を書かれたご本人が亡くなられたときです。
ということは、遺言書の中に意味がよくわからないところが出てきて、本人に聞いてみたい・確かめてみたい…と思っても、それができないということです。遺言書の内容で「?」と思うところがあっても、
「ここのところは、う~ん…?」
「どういう意味なのかな…?」
「どうとらえたらいいの?」
などと尋ねることができません。こうしたことを避けるためにも、
・できるだけわかりやすく、
・誰が見ても同じ意味にとれるように、
・誤解を招かないような言葉・表現で書くようにしましょう。人によって、とらえ方が違ったり、誤解を招きかねない表現や言葉は、起こさなくて済むトラブル(もめ事)につながる可能性もあります。
この点には、くれぐれもご注意ください。
自筆証書遺言成立の条件(4つ)
◆自筆証書遺言の条件①
~遺言書のすべてを、自分の手で書くこと~自筆証書遺言は、「自筆」の文字通り、自分の手で書く遺言書です。
たとえ一部分でも、パソコンやワープロで作ったりしてはいけません。また、書くものですから、映像や声で残したもの(例:ビデオレターなど)も遺言書としては認められません。
◆自筆証書遺言の条件②
~遺言書を作成した日付を書くこと~遺言書においては、日付がとても重要な意味を持ちます。
でも、特に難しく考える必要はありません。ふつうに、その日をはっきりとわかるように書けば、それで大丈夫です。(例:平成26年2月27日)
◆自筆証書遺言の条件③
~自分の名前を書くこと~それはそうですよね、誰が書いたものかわからなければ、「なんだ、これは?」となってしまいますものね。
こちらも、ふつうに名前(名字と名前)を書いていただければ大丈夫です。
難しく考えたり、妙にこだわったりするのは、やめましょう。
◆自筆証書遺言の条件④
~印鑑を押すこと~印鑑は必ず押してください。法律上は、印鑑の種類に制限はありません。実印でも、認印でも大丈夫です。
ただ、公正証書遺言と比較すると、遺言書の信憑性・信頼性という面で及ばない部分があるのは否めないところかと思います。
その部分を補う意味でも、印鑑は「実印」を使用し、それにプラスして、「印鑑登録証明書を一緒に」という形が、おすすめの方法です。
自筆証書遺言のポイント
自筆証書遺言のいいところ
①一人で作れる
②作りたいとき、作ろうと思ったときに作れる
③そんなに、手間がかからないし、お金もかからない
④遺言書の内容を秘密にしておける
注意を要するポイント
①遺言書の内容に従って名義変更などの手続きを行うためには、家庭裁判所で
「検認」という手続きが必要になる※家庭裁判所の手続きが終わるまで1か月(~2か月)くらいかかる
⇒ご事情によっては、戸籍集めに相当の時間がかかる場合があります
たとえば、本籍地を複数回移していて、その場所も遠方で…などの場合、
郵送での取り寄せになると、かなりの時間がかかることが予想されます準備できるものは事前に準備しておくと、スムーズに手続きに入れます
②きちんと書かれていないと、法的な効力が生じないことがある
⇒間違えた場合の訂正方法にも面倒な決まりがあります。
間違えたときは書いたものを破棄して、書き直すことをおすすめします。⇒専門家に書いたものをチェックしてもらうのもいいと思います
③保管が難しい(紛失、盗難、偽造、変造などの恐れがある)
⇒筆記用具は消えないものにしてください(※鉛筆などは×)
・消されたり、書き直されたりしたら、大変なことです⇒保管場所は、よく考えましょう
・見つけてもらえなければ意味がなくなります
・簡単に見つかる場所だと、盗まれたり、覗き見される可能性も…⇒貸金庫の中に保管する場合はご注意ください!
・貸金庫を開けられるのは誰になっていますか?⇒たとえば、信頼できる人に預けておくのもひとつの方法です
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